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【3】基本ポートフォリオを策定し、資産全体、各資産クラス、各運用受託機関等のそれぞれの段階でリスク管理を行うとともに、パッシブ運用とアクティブ運用を併用し、ベンチマーク収益率(市場平均収益率)を確保しつつ、収益を生み出す投資機会の発掘に努める。

《基本ポートフォリオの策定》

  • ○ 長期的に運用する場合には、短期的な市場の動向によって資産構成割合を頻繁に変更するよりも、基本ポートフォリオを決めて長期間維持していく方が、効率的で良い結果をもたらすことが知られています。
  • ○ このような意味で、基本ポートフォリオの決定は、GPIFにとって最重要の意思決定です。このため、GPIFでは、基本ポートフォリオを含む中期計画を作成・変更するときは、あらかじめ経営委員会の議決を経た上で、厚生労働大臣の認可を得ることとなっています。
  • ○ GPIFの基本ポートフォリオは、長期的な観点から、年金財政上必要な運用利回りを最低限のリスクで確保することを目標として策定しています。

《リスク管理》

  • ○ GPIFにおける最大のリスクは、年金財政上必要となる運用利回りを確保できないことです。一方、日常の運用業務において具体的に管理すべきリスク項目は、多岐にわたります。
  • ○ 例えば、投資資産の市場リスク、流動性リスク、信用リスク、カントリーリスクなどだけでなく、運用受託機関や資産管理機関に関するリスクや、GPIFの運営に関するリスクなど投資プロセスやモニタリングの方法にも及びます。
  • ○ これらの管理すべきリスクを、資産全体、各資産クラス、各運用受託機関等について、あらかじめ洗い出し、その上で、その状況を定期的かつ必要に応じて監視します。
  • ○ 更に、長期的な投資家として、経済環境の変化や運用の多様化・高度化に合わせて新たに管理すべきリスク項目はないか等を常に検証し、柔軟かつ迅速に対処していきます。

《ベンチマーク収益率(市場平均収益率)の確保》

  • ○ 金融市場では、多様な投資家が、様々な情報を利用し、それぞれの動機に基づき、資産の取引を行っています。特に、情報が十分に行き渡り、多くの投資家によって膨大な量の取引が行われる、長い期間を想定すれば、先にも述べたとおり、その市場価格は割安でも割高でもない本来の価値に収れんすると考えられます。その意味で市場は概ね効率的だと言えます。
  • ○ これは、いわゆるパッシブ運用(市場全体の時価の変動を表す指数に連動する運用)を支持する考え方であり、特に、GPIFのように資金規模が大きく、長期的に運用する場合には有用です。
  • ○ 一方、公表された情報であっても投資家に未だ十分に行き渡っていない場合や、不確かな情報で市場が過剰反応している場合、あるいは、市場参加者が少ない場合などには、市場価格が割安・割高に放置されている場合があります。
  • ○ これは、いわゆるアクティブ運用(市場全体の時価の変動を表す指数から意図的に乖離することで超過収益を得る運用)や、オルタナティブ投資の有効性を支持する考え方です。
  • ○ GPIFでは、パッシブ運用とアクティブ運用を併用し、ベンチマーク収益率(市場平均収益率)を確保しつつ、投資収益の源泉を十分に検証した上で、収益を生み出す投資機会の発掘に努めます。

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