平成29年度 ESG活動報告を刊行しました
2018(平成30)年8月13日
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、次世代も含めた被保険者の皆様の利益のため、長期的な観点から積立金を運用しています。国内外の様々な企業・発行体に幅広く投資するGPIFにとって、国民の皆様からお預かりした年金積立金を長期的に増やしていくためには、市場全体の持続的かつ安定的な成長が不可欠です。そのため、投資先企業のガバナンス(企業統治)の改善に加え、環境・社会問題などによる負の影響を小さくすること、つまり、投資におけるESG(環境・社会・ガバナンス)の考慮を通じ、ポートフォリオの長期的なリスク低減やリターンの向上を目指すことは合理的であると考えています。
GPIFはこうした認識に立ってESGに関する取組みを積極的に行って参りましたが、このたび、その取組みと効果を国民の皆様にご報告するため、初めて「ESG活動報告」を刊行いたしました。ESG投資を含むESG推進活動が期待通りに金融市場の持続可能性やリスク調整後のリターンの向上につながっているのかを測定し、長期的な効果の検証につなげていきたいと考えています。
<「ESG活動報告」の主なコンテンツ>
【第一章】これまでの取組み
- 投資原則改訂
- ESG指数の採用と環境株式指数公募
- 債券投資におけるESGに関する世界銀行グループとの協働
- ESGをテーマにしたGPIFのエンゲージメント活動
- コラム:ESGに関する世界の潮流
【第二章】ESG推進活動の効果測定
- ESG推進活動の効果測定の考え方
- ESG推進活動の効果測定(ポートフォリオのESG評価、温室効果ガス排出量など)
- コラム:ESG評価とAIの融合
- -むすびにかえて- ESG評価における今後の課題
<髙橋理事長コメント>
GPIFのESGへの取組みの効果を、「ESG活動報告」などで毎年繰り返し確認することで、長期的な効果の検証につなげていきたいと考えております。この「ESG活動報告」も含めて、GPIFのESGへの取組みはまだ始まったばかりです。是非、皆様の率直なご意見を頂戴できましたら幸いです。
被保険者の皆様の長期的な利益を確保し、受託者責任を果たすため、役職員一同全力で取組んで参る所存ですので、皆様のご理解、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。