「2023年度 ESG活動報告」を刊行しました
2024年8月28日
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取組みとその効果を国民の皆様にご報告するため、「2023年度 ESG活動報告」を刊行しました。
2023年度ESG活動報告では、同年度のESGに関する取組みの紹介やポートフォリオのESG評価などに加え、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言を受けた分析において、新たに「グリーンボンドのグリーニアム分析」や「スコープ3の開示の現状と課題に関する分析」などを行いました。また、昨年度と同様に試行的に「自然関連財務情報開示タスクフォース」(TNFD)の提言に沿った分析も実施しました。
GPIFは、ESG投資のPDCAサイクルを回すため、ESG投資が期待通りに金融市場の持続可能性やリスク調整後のリターンの向上につながっているのかを測定し、長期的な効果の検証につなげていきます。
なお、「2023年度ESG活動報告」に掲載した気候変動リスクや自然資本リスクに関する詳細な分析については、分析を委託した会社が取りまとめた「報告書」を別途公表していますので、併せてご参照ください。
<「2023年度 ESG活動報告」の主なコンテンツ>
【第一章】ESGに関する取組み
- ESG指数に基づく株式運用
- Column:ESG指数継続採用銘柄
- 指数会社・ESG評価会社へのエンゲージメント
- 株式・債券の委託運用におけるESG
- スチュワードシップ活動とESG推進
- オルタナティブ資産運用におけるESG
- ESG活動の振り返りと今後について
【第二章】ESG・スチュワードシップ活動の効果測定
- ESG指数のパフォーマンス
- ポートフォリオのESG評価・ESG評価の国別ランキング・ESG評価間の相関
- Column:ESGファクターに関する分析
- Topics:エンゲージメントの効果検証~プロジェクトの概要と分析結果~
【第三章】気候変動リスク・機会の評価と分析
- ポートフォリオの温室効果ガス排出量等の分析
- 財務インパクト~CVaR分析(株式・社債)~
- グリーンボンドのグリーニアム分析
- GHG排出削減目標の設定状況に関する分析
- 注目高まるスコープ3の開示の現状と課題
- 環境・気候へのインパクト~ITR分析~
- 生物多様性について~TNFD分析~
<宮園理事長コメント>
GPIFでは、年金積立金の持続可能性を高める上で、投資においてESGを考慮することが重要であるとの考えから、2015年の国連の責任投資原則(PRI)署名以降、ESGに関する様々な取組みを進めてまいりました。
今回の報告書では、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の基準を意識した「スコープ3の開示の現状と課題に関する分析」や定量的な評価が難しい「エンゲージメントの効果検証」、生物多様性に関する分析などを行いました。アセットオーナーやアセットマネジャーの皆様のみならず、企業のIRやサステナビリティ関連部署の皆様にも参考にしていただけるテーマを多く取り上げています。ESG情報開示やエンゲージメントの現場で、少しでも皆様にお役立ていただけましたら幸いです。