ここから本文です
経理部は経理課と調達課からなり、経理課では予算、決算・財務諸表作成、年金積立金の寄託金受け入れや収益の国庫納付関連の業務などを担っています。また調達課は、調達手続きや契約締結関連の業務を行っています。年金積立金の運用を経理面から支える重要な仕事です。
竹田佑衣/経理部経理課に所属。主事として、主に会計、決算、税務などに関する業務を担当。
経理課の年間の重要な業務には、予算の策定、財務諸表の提出、税務申告書の作成、そして収益の国庫納付などがあります。財務諸表とは財務や経営の状況をまとめた書類のことです。GPIFの場合は経営委員会の承認を経て厚生労働大臣に提出します。税務申告書は税金の納付等のために必要な書類です。そして、年金積立金の運用による収益の一部は、年金給付の原資として年金特別会計に納付することがあり(国庫納付)、非常に大きな金額が動くことになります。
※画像出典:年金積立金の運用とは>年金積立金の管理・運用のしくみ
それぞれのミッションはGPIFの信頼に関わるものなので、経理部全員で緊張感を持って作業に臨んでいます。それだけに、厚生労働大臣に提出し、承認された財務諸表が公表されたときや、税務申告書の作成が完了したとき、国庫納付を終えたときの安心感や達成感には格別なものがあります。
年金積立金の運用に関係する会計や税務などの業務は、GPIFならではの特殊なもので、複雑なポイントも多いことから、顧問税理士や監査法人などと相談しながら、的確に業務を行うことを心がけています。業務で何よりも驚かされたのは、扱う金額があまり見たことがないぐらい大きいということです。銀行に提出する納付書の金額欄に「¥マーク」を書き切れず、どう記入すればよいか戸惑ったことがありました。このように大きな金額であり、国民の皆様から預かっている大切な年金資金なので、業務には慎重さが何よりも要求されます。
大学では会計学、大学院では財政学を専攻し、卒業後は税理士法人に入職。税理士として国内外法人の税務申告書の作成業務や、税務相談業務などに従事しましたが、企業の外からアドバイスするだけでなく、企業や組織の中から会計や財務の業務に携わりたい、仕事の領域を広げたいとの思いが次第に強くなり、GPIFを志望しました。GPIFについては、年金の運用を通じて社会に貢献する点にも魅力を感じました。
経理の仕事は、数字で会社や事業の状況がわかるのが何よりも面白いところです。また、前職で得た会計や決算などに関する知識や経験は、現在の仕事にも生かすことができるので、顧問税理士や監査法人との相談などにも戸惑うことなく臨めますし、業務に対する手応えといったものを感じることができます。
一方、税務は難しいというのが本音です。そもそも税務は複雑な論点が多く、税制も毎年改正されるので、ついて行くのに苦労しています。しかし、税制は、時代や社会、経済の移り変わりを反映した結果であり、業務を通じて、こうした変化を知ることができるのが魅力と思い、自らのアップデートにつなげるとともに、スキルの向上にも努めたいと考えています。
私には子供がおり、現在は保育園に通っております。GPIFには産休や育休はもちろん、勤務時間を調整できる制度もあります。GPIFの勤務時間は基本的には9時から17時30分ですが、それを8時から16時30分に変更したり(早出遅出勤務制度)、退勤時間を1時間短縮し16時30分にしたり(育児時間制度)することが可能です。勤務時間を調整して保育園の送り迎えを夫と分担したり、退勤時間を早めて育児時間にあてたりと、都合に応じて様々な使い方をしています。
※画像出典:GPIFのご紹介>採用情報>WORK LIFE BALANCE
この制度はフレキシブルに勤務時間を調整できるので、日常の業務をしっかりとこなしながら、必要に応じて時間をつくることができ、仕事と子育ての両立という点では非常に助かっています。また、要介護者を抱えている場合にも活用できる制度なので、GPIFは働きやすい環境であると言うことができると思います。
経理部の職員は面倒見の良い人が多く、様々なサポートを受けることができたおかげで、業務や職場にスムーズに慣れることができました。フランクで風通しの良い経理部ですが、多岐にわたる業務を細かく分けて各職員が担当していることから、それぞれの業務の状況や課題などについて部内会議で共有し、必要なサポートを適切に提供することに努めています。
入職当時は運用に関する知識がほぼゼロで、運用に関する基本的な用語もわからない状態でした。そこで、業務上接点のあった同世代の職員などと一緒にランチに行き、運用のことなどを教えてもらうことで、専門的な内容の打ち合わせにも以前よりはついていけるようになりました。
このように他部署の職員と話す機会が増える中でわかったのは、GPIFにはバラエティに富んだ人材がいることです。前職では税理士ばかりでしたが、GPIFには、GPIFの前身組織から勤めている人から、様々な企業や団体から転職してきた人まで、バックボーンもキャリアも異なる多様な職員がいて、刺激を受けることが少なくありません。いろいろな職員とつき合う中で、自然と知見が広がり、自らのスキルアップにもプラスに働いていると感じています。
経理部などの管理部門は、運用部門と違って、年金積立金の運用に直接関与することはなく、収益を上げて国民の皆様に貢献することはできません。しかし、適正な会計業務や財務に関する正確な情報の公表などを通じて、GPIFの信頼に寄与することはできるので、今後とも経理部の一員として精進したいと思っています。
そのためにも、運用に関する税務や会計など、現在担当している業務以外にも積極的に関与し、経理業務のオールラウンダーとなることを目標にしています。